スマホ脳過労とは?脳の疲労がもたらす症状と改善方法について解説

スマホ脳過労という言葉を聞いたことはございませんか?
現代は、スマホを使い過ぎる人が増加したことで、スマホ脳過労による症状に悩まされる人が増加中です。
「最近、物忘れが激しくなった…」「理由もないのにイライラする」といった悩みを抱えている方は、スマホ脳過労になったのかもしれません。
本記事ではスマホ脳過労について詳しく解説。原因と解決方法もお伝えしますので、参考にしてください。
目次
脳は疲労する?スマホ脳過労とは
スマホの使い過ぎで脳が疲労すると、スマホ脳過労になると言われています。
ここでは、スマホ脳過労の原因や症状についてお伝えします。
スマホの使い過ぎで脳の情報処理能力が低下
スマホで多くの情報に触れ過ぎると、頭にインプットされた情報を脳が処理しきれずに疲労し、脳の情報処理能力が低下します。
脳が疲れて情報処理能力が低下した状態を「脳過労」と言います。
我々が歩き過ぎた場合に、足が疲れて歩けなくなるように、脳も使い過ぎると、疲れて情報を処理できなくなるのです。
スマホ脳過労の症状
スマホ脳過労になると次のような症状が現れます。
以上のような症状が続く場合はスマホ脳過労を疑いましょう。
スマホ脳過労は脳の萎縮が起きるほどではありませんが、うつ病に移行したり、脳の老化を早めたりする可能性があります。
各項目について詳しく解説しますので、参考にしてください。
感情をコントロールできなくなる
スマホ脳過労になると、前頭前野の機能が低下して、感情をコントロールできなくなります。
脳の情報処理は、前頭前野と言われる部分で行われます。前頭前野は、思考や記憶、判断といった情報処理に関する機能を備えているのです。
また前頭前野には、感情をコントロールする機能もあります。
つまりスマホ脳過労で前頭前野が機能しづらくなると、感情をコントロールする機能も損なわるのです。イライラしたり、情緒不安定になったりして感情の起伏が激しい状態になります。
仕事のパフォーマンスが低下する
スマホ脳過労になると、前頭前野の情報処理機能が低下するため、ケアレスミスが増えたり、物忘れが激しくなったりします。
ケアレスミスや物忘れは、仕事のパフォーマンス低下につながるでしょう。
職場で参加すべき会議を忘れてしまったり、提出書類の記載ミスが目立ったりして、仕事に関する失敗が増加する可能性があります。
体調が悪くなる
スマホ脳過労で前頭前野の働きが悪くなると、自律神経が乱れて体調が悪くなると言われています。
自律神経は人間の身体の機能を司る神経であるため、乱れると次のようなさまざまな症状に見舞われます。
- 肩こり
- 腰痛
- 食欲不振
- 耳鳴り
- めまい
- 便秘
- 冷え
以上は自律神経の乱れによる症状のごく一部であり、他にも多くの体調不良を生じる可能性があります。
スマホ脳過労をチェック
スマホ脳過労は、スマホ依存の人が脳過労に陥った状態だと考えることもできます。
そのため、スマホ脳疲労をチェックする場合は、スマホ依存と脳過労の両方をチェックすると良いでしょう。下記の中で該当する項目が過半数を超える場合は、スマホ利用を控えめにすることをおおすすめします。
スマホ依存をチェック
- スマホはいつも手の届く範囲に置く
- スマホ以外で調べ物をすることがほとんどない
- スマホ写真をメモ代わりにしている
- 寝室でもスマホを触る
- はじめての場所でスマホがないと道が分からなくなる
- 着信音やバイブレーションの音が常に聞こえる気がする
- 情報に乗り遅れるのが怖く常にスマホで情報収集をする
脳過労をチェック
- 最近、物忘れをすることが多くなった
- 約束を忘れることが増えた
- スマホに依存し過ぎて、道を覚えられない
- ものを取りに行った際に、何を取りに行ったのかを忘れる
- 計算を間違えることが増えた
- 知人や友人の名前を思い出せないことが多い
- 数日前の出来事を思い出せない。
スマホ脳過労を改善する方法
スマホ脳過労を改善するには、スマホを使う時間を短縮したり、脳を疲労させない生活を心がけたりすると良いでしょう。
具体的な方法を紹介しますので、参考にしてください。
スマホを使う時間を短縮する
スマホの使用時間を短縮すると、スマホ脳の改善が期待できますが、難しい方は多いのではないでしょうか。
ここではスマホを使う時間を短縮する方法を以下の通り、3つご紹介します。
SNSを非通知にする
スマホでSNSを利用する機会は多いため、SNSを非通知にするとスマホ時間を効果的に短縮できます。
総務省の調べによると、全年代における平日1日のSNS利用時間は37.9分で、休日だと44.2分であることが分かりました。
20代の休日にもなると、1日に110.8分もSNSを利用していることが分かっており、SNSに関する依存度の高さが浮き彫りになりました。(注1)
SNSは通知が届くようになっているため、通知を受け取ると、ついついスマホを見てしまう方も多いのではないでしょうか。
普段からSNSを見る時間が長いと感じている場合は、思い切って非通知に設定するのもおすすめです。
スマホを使えない時間を設定する
スマホには利用時間を制限する機能が付いています。
iPhoneであればスクリーンタイム、アンドロイドであればDigital Wellbeingから時間を指定して利用制限をかけられるのです。
たとえば、就寝前の2~3時間前からスマホが使えないように設定したり、特定の決められた時間は利用を制限してスマホと距離を取ってみたりするのに使える機能です。
自宅ではスマホを持ち歩かない
スマホを常にポケットに入れて持ち歩く人も多いのではないでしょうか。
ポケットの中にスマホがあると、すぐに手に取れるため、スマホから離れられなくなります。
少なくとも自宅では、机の引き出しなどに収納して、距離を置いてみてください。
脳を疲労させない生活をする
脳の疲れは生活習慣に影響されます。次のような脳を疲労させない生活を心がけて、脳を過労から解放しましょう。
睡眠の質を高める
睡眠の質を高めると、脳疲労の状態から解放される可能性があります。良質な睡眠とは、寝ようと思っても眠れない、途中で目が覚めるといった睡眠障害がない眠りのことです。
睡眠の質を高めるには、就寝前の準備から、日中の過ごし方まで日常生活のあらゆる場面で、良質な睡眠のための習慣を取り入れると良いでしょう。
良質な睡眠をとれるようになる習慣は、次の記事で分かりやすく解説していますので、参考にしてください。
関連記事:ぐっすり眠るための方法9選|科学的エビデンスに基づく手法をご紹介!
仕事の合間に休憩を摂る
仕事中のマルチタスクは、脳過労を招きます。その他にも、職場の同僚とコミュニケーションをとったり、仕事上の重要な判断に迫られたりすると、脳は疲労します。
そのため、仕事の合間に摂る休憩は脳過労を回避する上でも重要です。
休憩時間を決めて、脳を休める習慣を身につけましょう。
食事に気を配る
脳過労を避けるには、食事内容に気を配るのも重要。脳疲労に良いとされる食品は次の通りです。
-
- 魚油に豊富なDHAやEPA
- 亜麻仁油などに含まれるα-リノレン酸
- 鶏の胸肉に含まれるアミノペプチターゼ
以上の食品を意識すると、脳疲労の回復も促進できるでしょう。
脳の疲れに効果的な食べ物については次の記事でも解説していますので、どうぞご覧ください。
関連記事:脳の疲れ回復に良い食べ物とは?栄養や食事メニューからコンビニ食まで紹介!
スマホ脳過労を改善させよう
スマホ脳過労とは、スマホの使い過ぎで脳の情報処理能力が低下した状態です。スマホ脳過労になると、感情の起伏が激しくなったり、仕事のパフォーマンスが低下したります。
さらに、自律維新系が乱れることで、さまざまな身体の不調に見舞われることもあるのです。
スマホ脳過労を改善させるには、睡眠の質を高めたり、仕事の合間に適度な休憩を摂ったりすることが重要です。日ごろの食事内容にも気を配りましょう。
スマホ脳過労が続くと、脳にダメージを受けている場合もあります。脳ダメージを回復させるには、ブレインパークが提供する「整脳コース」や「脳眠コース」がおすすめです。
再生医療と東洋医学のコラボレーションで、脳過労の状態を正常へと導きます。
脳過労による症状でお困りの場合は、ブレインパークにご相談ください。
(参考)
注1:令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省情報通信政策研究所

精神科医
スポーツメンタルアドバイザー
産業医、健康スポーツ医
1990年2月28日生まれ。スマートクリニック他都内および静岡の精神科クリニックで勤務。メンタルやストレスに関する治療を得意分野とし、疲労や更年期の悩みに関して幹細胞上清液を中心とした治療を行う。精神科医として常勤する傍ら、横浜FC・北海道コンサドーレ札幌アカデミー世代のメンタルアドバイザー、レアル・マドリード・ファンデーション・フットボールアカデミーのメンタル育成の普及について積極的に取り組む。パラリンピック競技種目である視覚障がい者5人制サッカー日本代表の元メンタルアドバイザー。東邦大学医学部卒。著書「スポーツ精神科医が教える日常で活かせるスポーツメンタル」(法研)