アスリートの大会期間中における過ごし方・コンディショニング方法

競泳選手における大会期間中のコンディショニング方法について、元競泳選手の視点からご紹介させていただきます。

藤森丈晴氏(水泳)-ブレインパーク4

競泳選手の大会期間中のスケジュールは午前中に予選レース、予選レースに勝ち残ると午後に準決勝レースがあります。大会期間中の過ごし方がレースの結果に影響がでるので、期間中のコンディショニング方法はすごく大切です。

大会当日、午前中に行われる予選レースの前までに、陸上で体操や補強、ストレッチで各筋肉を締め、力が発揮しやすい身体を作るウォーミングアップを行います。その後、水中でウォーミングアップをし、2時間ほど身体のケアを行います。ウォーミングアップは予選レースの30分~1時間前までに終わらせ、締めすぎた部分は緩め、緩い部分は締めるといった微調整を行い予選レースに臨みます。

予選レースに勝ち残ると、準決勝レースは6~7時間後に行われる為、クールダウンや食事でのエネルギー補給、身体のケアを細部まで丁寧に急ピッチで行います。

レースとレースの間の時間の過ごし方

予選レースが終わると、次は準決勝レースのためのコンディショニングを行います。身体のケアは専属のトレーナーさんに予選で使った筋肉をほぐしてもらいます。この時に緩めすぎると力が入らなくなり、逆に筋肉が張ったままだと午後のパフォーマンスに影響が出るので感覚を研ぎ澄ませて身体の状況を把握します。トレーナーさんには、身体の状態を伝えながらベストコンディションになるようケアを受けます。30分~1時間程度の仮眠をとる選手も多くみられ、この数時間でいかに回復できるかがその後の大きな鍵となるのです。

さらに、レースで交感神経が優位になり、午後にレースが控えていると交感神経が優位のまま過ごすこととなるため、休んだ気にならなくなります。その時に鍼灸により自律神経を整えてもらう選手が多くいるので、専属のトレーナーさんは鍼灸の資格を持った方がほとんどとなります。

準決勝レースまでの時間は、予選レースで身体を動かしているので少し軽めにウォーミングアップを行い微調整していく選手が多いです。また、予選レースの疲労感が現れてくるので、ポイントを絞って鍼を打ったり、マッサージをしてもらう選手もいます。トップ選手の大会当日の過ごし方はルーティーン化していて、予選レースと同様に万全な状態を自身で作り上げ、準決勝のレースへ臨みます。

準決勝レースが終わると決勝は次の日の午後に行われるます。一日が終わり、ようやくひと段落しますが、決勝が本戦となるコンマの世界を争う競泳では、ここからの身体のケアや栄養補給、疲労回復といった決勝までの一つ一つの行動が勝敗を分ける事になる為、細心の注意を払いながらも余計なストレスをかけることなく過ごしていく事が重要になります。

決勝当日は午前中に身体のコンディショニングを整えるため、体操や補強、水中でのウォーミングアップ、気になる箇所のケアを行い決勝に備えます。決勝の前には準決勝と同様なウォーミングアップ再度行いレースに臨んでいきます。大会は一週間あり、トップ選手は複数の種目に出場するので、大会期間中は毎日これを繰り返し戦い抜くのです。

国際大会では環境がそれぞれの国によって違ってくるので、気温や湿度などその場の環境に適応しながら、いかなる状況でも自分自身のコンディションを整える力が必要となります。

選手は皆、血のにじむような練習をしてきているので競技のレベルは大きく差は開きませんが、大会期間中のコンディショニング方法で差が開く為、アスリートにとって自身の身体を隅々まで理解し、コンディショニング方法を確立していく事が最も重要です。

一覧へ戻る